犬のストレス性脱毛症の原因・症状、治療を行う5つのポイント【動物看護士執筆】

犬のストレス性脱毛症の原因・症状、治療を行う5つのポイント

執筆者:竹内Coco先生

動物看護師、トリマー

犬のストレス性脱毛症について

人が衣替えをするように犬も季節の変わり目になると毛が抜け変わります。「換毛期」と呼ばれるものですが、これらは生理的な現象であり問題はありません。

ただし、部分的に毛が抜ける、皮膚が赤くなる、痒みがあるなどの場合はなんらかの病気を疑う必要があります。脱毛を起こす病気には、食物や環境要因に対するアレルギー性のもの、外部寄生虫、真菌による皮膚病や、ホルモン疾患などが挙げられます。

ですが、皮膚病や内分泌疾患でないにも関わらず脱毛を起こすケースがあります。それが「ストレス性脱毛症」です。人でも、「ストレスを受けて頭に10円ハゲができた」というような話を耳にしたこともあるのではないでしょうか。人と同じように犬もストレスを受けると脱毛してしまうことがあるのです。

脱毛する原因

ストレスを受けると自律神経が乱れます。自律神経は、代謝や血行、体温調節など体の調子を整える役割を果たしていますが、自律神経が乱れると毛細血管が収縮し、血行が悪くなり脱毛を起こしてしまうのです。

血行が悪くなる他にもう一つ、ストレス性脱毛症の原因となるものがあります。犬にはストレスを受けたり、不安を感じたりすると同じ行動を繰り返すという習性があることをご存知でしょうか。

犬が退屈を感じたときに手足をずっと舐めたりしているのも似たような原理からです。その習性のせいで手足など、同じ場所をずっと舐めていたり噛んだりしていることがあり、執拗に繰り返すことでその場所が脱毛してしまうことがあります。

犬のストレスの原因

犬は私たちが思っている以上に神経質な生き物です。繊細であり、普段愛犬と接している飼い主さんでも気づかないような些細な変化にもストレスを受けていることがあります。犬がストレスを受ける主な原因をご紹介します。心当たりがあればなるべく早く改善してあげてくださいね。

バランスの偏った食事

愛犬がドッグフードをあまり食べないからといって、人の食べるものや、おやつばかりを与えてしまうことはないでしょうか。もちろんドッグフードより美味しいと感じるのでそのときは食いつきが良くなるかもしれません。

ですが体に必要な栄養素は食べ物から作り出されます。必要な栄養素が不足すると、健康に支障をきたしてしまいますよね。腸内環境が乱れたり、皮膚や被毛の状態が悪くなったりするのも栄養バランスの乱れからです。

美味しそうに食べていても実は、健康面では体調が整わずストレスを感じていることがあります。また、ご飯を変更した、与える時間が不規則になったなどもストレスの原因となることがあります。

生活環境の変化

生活環境の変化でも犬は大きなストレスを受けます。引っ越しをしたり、ペットホテルや親戚の家に犬を預けたりすると、いつもと違う環境にストレスを感じ、脱毛症を起こすことがあるでしょう。

家族やペットが増えた、減ったなど周りの環境の変化にも敏感です。かわいがってくれていた人が引っ越していなくなった、新しいペットを迎えて家族の注目が得られなくなったなど、なにかしらの不安を感じていることもあります。

また、騒音も犬にとってはストレスです。近所で工事が始まったり、梅雨時期に雷の鳴る日が続いたりなど、音や光に反応してストレスを受けていることもあります。

スキンシップ不足

個体差はありますが、犬は一般的に人が好きな動物です。猫よりも犬の方が飼い主さんとのスキンシップに喜びを感じる子が多いですよね。ですから、犬は寂しさを感じるとそれがストレスになってしまいます。

飼い主さんの生活サイクルが変わって留守番の時間が増えた、仕事が忙しくてあまりかまってあげていない、などの状況は犬にとって大きなストレスです。脱毛の原因としてもお伝えしたように、犬がずっと手足を舐めているときは「寂しい」、「退屈」のサインかもしれません。

運動不足

犬は運動したり遊んだりするのが大好きです。運動不足は特にストレスの大きな要因となります。私たち人間も、毎日一日中部屋の中にいては気分が滅入ってしまいますよね。犬にとっても散歩に行き、日の光を浴びることは気分転換や自律神経を整えるためにも重要なことです。

ストレス性脱毛症になりやすい犬種

ストレス性脱毛症になりやすい犬に犬種はあまり関係ありません。気の小さい犬、怖がりの犬などはストレスを受けやすく、ストレス性脱毛症を起こしやすくなってしまうでしょう。

また、飼い主さんへの依存が強い犬も、少しの環境の変化でストレスを受けやすくなります。そういった点では室内飼いの小型犬の方がどちらかというとストレス性脱毛症を引き起こしやすいかもしれません。

ストレス性脱毛症の治療方法

ストレスは病気ではありませんので、薬やシャンプーなどの治療法はありません。治療法はストレスの原因となるものを取り除いてあげる他ありません。犬は話すことができないので、なかなかストレスの原因を見つけられないこともあるでしょう。

どうしてもストレスが強く、精神不安定な場合には精神安定剤などの薬が処方されることもあります。

また、犬が舐めたり噛んだりすることで、その部分に脱毛だけでなく炎症を起こしたり、二次的に細菌感染を起こしてしまっているときには、飲み薬や塗り薬として抗生剤などが処方されることもあります。

ですが、根本的にはストレスの原因を取り除く以外に方法はないものです。ストレス性脱毛症には何かしらの原因があるはず。脱毛を起こした頃に何か変化はなかったか、手を執拗に舐める前に何をしていたかなど、日常生活を振り返り見つけてあげることが唯一の治療法です。

ストレス性脱毛症のときに気をつけたいこと

ストレス性脱毛症のときに気を付けたいのは、他の病気による脱毛ではないときっちり診断を受けることです。最初にお伝えしたように、脱毛という症状には数えきれないほどの病気があります。

それらが全て当てはまらず、皮膚や体内に異常がないにも関わらず脱毛がある場合にストレス性脱毛症と言えるのです。まずは、他の病気が潜んでいないか調べる事が大切です。

皮膚糸状菌症などの皮膚病は比較的痒みを伴わず脱毛だけが症状として出ることが多いものです。また、クッシング症候群・甲状腺機能低下症のホルモンの異常分泌による脱毛でも痒みはありません。

痒がってもいないからただのストレスによる脱毛だと自己判断して放置せず、その他の病気が潜んでいないかしっかりと検査を受けることが大切です。

また、ストレスの原因を見つけ、それ以上のストレスがかからないようにしてあげることも重要です。愛犬の様子を毎日しっかりと観察し、リラックスして過ごせる環境を作ってあげましょう。

ストレス性脱毛症にならないために、予防や日ごろのケアの5つのポイント

ストレス性脱毛症にならないために、日常生活で気を付けたい5つのポイントをご紹介します。

愛犬の様子をよく観察する

日ごろから愛犬の様子を観察しておくことは大切です。病院の先生にも愛犬のストレスの原因は分かりません。毎日一緒に暮らしている飼い主さんだからこそ分かるものです。

普段から愛犬がリラックスできる環境づくりを心掛けましょう。そしてどのようなことに不安やストレスを感じるかしっかりと見ておいてあげることが大切です。

栄養バランスの取れた食事

栄養バランスの取れた食事は、脱毛症以外の健康面においても非常に重要です。栄養バランスに気を付けるというと、人と同じ栄養バランスで考える方もいるかもしれません。ですが犬と人が必要とする栄養素の割合は違います。

人の食事を基準に栄養バランスの良い食事を与えると犬にとっては栄養素不足。犬にとっての最適な栄養バランスの食事を与えましょう。

適度な運動

運動不足はストレスの大きな要因となります。運動好きな犬であればなおさら、毎日の散歩は欠かさないようにしてあげたいものです。また、日光を浴びると自律神経が整うとされています。

老齢による筋肉の減少や痴呆・認知症の予防にも適度な散歩は効果的ですので、高齢だからといって散歩をやめるのではなく、無理のない程度で連れ出してあげることも大切です。

スキンシップ

飼い主さんとのスキンシップは愛犬にとってなによりの喜びです。忙しくても愛犬にはしっかり時間を使ってあげましょう。散歩に行くこともそうですが、よく遊んであげたり話しかけてあげたりしてくださいね。

正しいことをしたときには少し大げさなくらいに褒めてあげると良いでしょう。また、ブラッシングも適度に行ってあげてください。スキンシップの他に、血行を良くする効果も期待できますし、その他の皮膚トラブルも早く見つけることができます。

スキンシップ不足や運動不足によるストレスは脱毛症だけでなく、破壊行動や問題行動にも繋がりかねないものです。普段からストレスを発散させてあげるよう心掛けたいですね。

サプリメント

ストレスにより自律神経が乱れると脱毛の他にも様々な不調が現れます。食欲不振・下痢・便秘・元気がない・イライラする、攻撃的になるなどの症状も自律神経の乱れが原因であることがあります。

自律神経の乱れが原因によるこれらの症状の改善には、サプリメントを使用するのもおすすめ。キングアガリクスには自律神経を整えリラックスさせる作用があると確認されています。

また、キングアガリクスは無添加で安全、高品質なサプリメントです。サプリメントは薬ではありませんので安全なものであれば長期的に飲むことが可能。人が飲んでも大丈夫なキングアガリクスなら安心して愛犬にも与えることができますね。

犬のストレス性脱毛症まとめ

ストレス脱毛症は愛犬が飼い主さんに向けているSOSのサインです。ストレス脱毛症の予防に最も必要なものは、ごく普通の健康的な生活と飼い主さんの愛情。毎日触れ合っていると愛犬の些細な変化にも気付いてあげられます。

大切な家族である愛犬には穏やかに毎日を過ごしてもらいたいものですよね。毎日愛犬の様子をしっかりと観察してあげて、スキンシップをとるようにしてあげてください。そしてなるべくストレスのない生活環境を整えてあげてくださいね。

執筆者:竹内CoCo先生

経歴:大阪コミュニケーションアート専門学校ペットビジネス科ペットトリマーコース(現在の大阪ECO動物海洋専門学校)卒業。

ペットショップ勤務を経て、現役動物看護士。動物病院で勤務している立場から、「正しい知識を持ってペットと幸せに暮らしてもらいたい」という気持ちで正確な情報をお届けします。